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日本におけるビールとは

日本におけるビールとは

日本の酒税法で定義されている酒類の一つに発泡酒と言う物があり、さらに世間で第3のビールと呼ばれる酒税法では「その他の醸造酒 ( 発泡性 ) (1)」、「リキュール ( 発泡性 ) (1)」に定義される物が、あたかもビールの代替え品のように出回っている。
しかしその正確な違いはあまり知られていないように感じる。
そこで、まず日本の酒税法上のビール、発泡酒とその他の定義を確認しておくことにする。

ビールの定義

ビールの定義は酒税法 第三条に定められており、

十二 号 ビール 次に掲げる酒類でアルコール分が二十度未満のものをいう。

イ 麦芽、ホップ及び水を原料として発酵させたもの
ロ 麦芽、ホップ、水及び麦その他の政令で定める物品を原料として発酵させたもの(その原料中当該政令で定める物品の重量の合計が麦芽の重量の百分の五十を超えないものに限る。)

とある。

「原料中当該政令で定める物品の重量の合計が麦芽の重量の百分の五十を超えないもの」
というのは一見ややこしそうだが、要するに麦芽以外の原料の重量は麦芽の重量の 50% を超えてはならないと言うことなので、全体の重量の33% (三分の一)を超えてはならないということである。

もし麦芽以外の原料の重量比率が 34% 以上になれば、必然的に麦芽の重量比率は 66% 以下になるので、麦芽以外の原料の重量が麦芽の重量の 50% を超えてしまう。

当該政令で定める物品」というのも同じ条文内にないので分かりにくいが、酒税法 第六条に「法第三条第十二号 ロに規定するビールの原料として政令で定める物品は、麦、米、とうもろこし、こうりやん、ばれいしよ、でんぷん、糖類又は財務省令で定める苦味料若しくは 着色料とする。

と明記されている。

つまり、いくら麦芽使用率が100%でもそこにこの政令で定める物品以外の物、たとえばオレンジ果汁を一滴でも加えればビールとは呼べないと言うことである。

例えばヒューガルデン ホワイトのようにオレンジピールやコリアンダーが入っていた場合、本国ベルギーでは歴としたビールであるが、日本の酒税法ではビールとは呼べない。

発泡酒の定義

発泡酒の定義もビールに同じく酒税法 第三条に定められており、

十八 発泡酒 麦芽又は麦を原料の一部とした酒類(第七号から前号までに掲げる酒類及び麦芽又は麦を原料の一部としたアルコール含有物を蒸留したものを原料の一部としたものを除く。)で発泡性を有するもの(アルコール分が二十度未満のものに限る。)をいう。

とある。

発泡酒という分類は「ビールより麦芽の使用比率が少ないもの」という認識が浸透しているように思るが、実は「発泡性酒類のうち、ビールおよびその他の発泡性酒類 ( いわゆる第三のビール等) 以外は全て発泡酒」というのがより正しい認識である。

発泡酒の定義には実は麦芽使用率は関係なく、ビールでもなくその他の発泡性酒類でもない物を指し、

  • ビール以外の原料の重量が、全体の重量の 34% 以上である
  • ビール以外の原料に、酒税法施行例 第六条に定められていないものを用いている
  • 原料にいわゆるスピリッツを用いていない

上記のいずれかの条件に該当すれば発泡酒としてみなされるが、税率は、麦芽の使用比率に応じて決められている。

税率は次のとおりである。

  • 麦芽比率50% 以上 100% 以下 1キロリットルあたり220,000円
  • 麦芽比率25% 以上 50% 未満  1キロリットルあたり178,250円
  • 麦芽比率25% 未満 1キロリットルあたり134,250円 

それで、国内大手ビールメーカーの、「発泡酒」と分類される商品は全て麦芽比率を 25% 未満に抑えて低価格を実現している。

し かし、海外のビールや、あるいは日本国内でも地ビールと呼ばれている物には多彩なスタイルが存在し、「酒税法上のビール」と同じくらい麦芽をふんだんに使 用していても「発泡酒」とされ、税金だけは「酒税法のビール」と同じものが多数り、発泡酒=低価格と言うことではない。

その他の醸造酒 ( 発泡性 ) (1) の定義

同様酒税法 第三条に定められており、

十九  その他の醸造酒 穀類、糖類その他の物品を原料として発酵させた酒類(第七号から前号までに掲げる酒類その他政令で定めるものを除く。)でアルコール分が二十度未満のもの(エキス分が二度以上のものに限る。)をいう。

とある。

いわゆる「第 3 のビール」と呼ばれているもので、そもそもビールではい。メーカー各社は「新ジャンル」という呼称を用いている。
以前は酒税法上は「その他の雑酒 (2) 」という分類されてた。

税率は 1キロリットル あたり 80,000 円となっており、そのために店頭では節税型発泡酒よりも更に低価格で販売されている。

リキュール ( 発泡性 ) (1) の定義

これも酒税法 第三条に定められており、

二〇 スピリッツ 第七号から前号までに掲げる酒類以外の酒類でエキス分が二度未満のものをいう。

二一 リキュール 酒類と糖類その他の物品(酒類を含む。)を原料とした酒類でエキス分が二度以上のもの (第七号から第十九号までに掲げる酒類、前条第一項に規定する溶解してアルコール分一度以上の飲料 とすることができる粉末状のもの及びその性状がみりんに類似する酒類として政令で定めるものを除く。)をいう。

とある。

いわゆる「いわゆる第4のビール」で、これは発泡酒の「麦芽又は麦を原料の一部としたアルコール含有物を蒸留したものを原料の一部としたものを除く」という除外要件に該当し、発泡酒にいわゆるスピリッツを混ぜて作ることで「発泡酒に分類されない」ものにして税率を下げるものである。

税率はその他の醸造酒 ( 発泡性 ) (1) と同じ 1キロリットルあたり 80,000 円であるが、発泡酒ではないため、ほとんどが麦芽使用率が多めになっている。

以上が酒税法に基づいた定義である。

世間では発泡酒は、通常のビールに比べると低価格だが、「味が薄い」、「ひと味足りない」、「発泡酒=代用品・格下」という先入観があるが、こうして整理してみると決してそんなことは無いことがわかる。

低価格実現の為に麦芽比率を抑えてものが有るのは事実だが、ビールの味わいを広げ、個性的な物にしたが為に日本の酒税法上仕方なしに発泡酒と呼ばれるかわいそうな物もある。

この節税型発泡酒は日本地ビール協会のビアスタイル・ガイドラインでも「フリースタイル・節税型発泡酒」のカテゴリーに分けられて認知されているが、麦芽比率がビールと同じ物はフルーツビール、ベルジャンスタイル等別のカテゴリーに属し区別されている。

これは私感であるが、発泡酒とは酒税法上の定義で、この発泡酒と呼ばれる物も麦芽を原料とした発泡性の酒類である事には変わりないのでビールと位置づけている。

しかし、「その他の醸造酒 ( 発泡性 ) (1)」については麦芽を原料としていないので第三のビールとは言われているが、私はビールと呼ぶわけにはいかない。

また「リキュール ( 発泡性 ) (1)」については原材料に麦芽は使用されているがそれは麦芽を使用した酒類が使用されているにとどまるので、いわゆるビールのカクテルと位置づけ、やはりビールとは呼べない。

余談になるが、私はビールの空き缶コレクターであるが、コレクションにはこれらの空き缶は含めていない。

ここで誤解のないようにして頂きたいのは決して節税型発泡酒やその他の物を批判しているわけではなく、むしろ酒類の幅が広がると歓迎している。

しかし、個人的に「発泡酒=代用品・格下」と言う考え方はできず、安いからビールの代わりに節税型発泡酒を飲もうという気になれないだけである。

毎日でなくてもいいので、自分の気に入ったビール(日本の酒税法上の発泡酒を含む)が飲みたいただそれだけである。
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